ボロボロのフローシャイムが綺麗になるまで

ひょんなことから我が家に迎える事になったヴィンテージの靴

【フローシャイム インペリアル ケンムール】

 

とうとう古靴に手を出してしまったか...

これまた沼に溺れてしまいそうな予感。

 

 

しかしこの、“ケンムール”有名な靴ですよね。ワタシのは購入した物は(おそらく)70‘sです、当時の物価で4〜5万ほどだったそうです。

今の物価でいうとサラリーマンの月給ほどに値段だとか...

 

もはやジョンロブクラスですね。そんな高価な靴が現在の中古相場だと1万円前後で買えてしまいます。

ちなみに筆者は5千円で購入しました。

しかし、値段相応の訳アリ品なのでこのまま履かずリペアする事に。

 

 

 

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オリジナルのソールは残っているもののこれではオリジナルの見る影もないです。

 

やはり、レザーソールはレザーソールで味わいたいので、これはちょっと趣味じゃない。

というか、このリペア痕は流石に前の持ち主さんのセンスを疑います。

 

しかしながら、汚れなどは“味”と捉えると、ヴィンテージさながらで、新品の靴をここまで育てるには骨が折れます。

いや、ここまでの風格になるまでの時の流れに今の靴が耐えれるか不明だ。

 

50年近い時の流れに晒されているにも関わらず、革はいまだに肉厚でモチモチしている。

それはおろかブラッシングをするだけで艶が蘇ります。

 

 

しかし、50年という長い時間で蓄積された汚れはやはり靴に悪影響を及ぼす可能性があるので一度、丸洗いを決行することに

 

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まずは油性の靴クリームを塗る。

これは保湿や油分補給を目的だけではなく、クリームに含有されている溶剤を利用し、靴の革内部に残っている古いクリームを溶かし出すためだ。

 

その後、クリームが乾く前にお湯で絞った布でクリームを拭き取り、そして、ボディーソープで洗っていく。

何故ボディーソープかというと革は人の肌と同じく弱酸性で、それと同じ弱酸性のボディーソープで洗うのが革へのダメージが少ないからである。

 

因みに洗浄力は

アルカリ性>中性>弱酸性

なので汚れの度合いによって洗剤を使い分けるといい

 

靴の丸洗いのよく使われるサドルソープは弱アルカリ性なので、汚れの度合いを考慮せず何でもかんでもあれで洗うのは革を痛めるため危険だったりする。

 

今回はヴィンテージの靴ということもあり、弱酸性のボディーソープを採用した。

 

 

 


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心なしか色が鮮やかになった気がしないでもない。

ここから日陰で3日かけて干していきます。

この時、レザーソールの水はけの良さを利用するためにヒールかトゥの部分は浮かせて乾燥させましょう。

 


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それと同時に、定期的にデリケートクリーム(写真右)を塗布することで急な乾燥を防ぎ、革の割れや、カサつきを防ぎます。

 

3日後、完全に乾いた事を確認し、タピールのレダーオイル(写真左)を塗布していきます。

これは、デリケートクリームだけでは補いきれなかった油分の補給が目的となってます。

この後、しっかり浸透させるために1日寝かせます。

 

レダーオイルは塗りすぎ注意です。

 

 

 

 

1日寝かせた後、色付き油性クリームを塗布し、いつも通りブラッシング、乾拭きしていきます。

磨きに関しての詳しい解説はこちらでしてますのでこちらも是非合わせてご覧ください。

www.kidaore.work

 

 

 

 

 

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ここまでの工程で、アッパーの革の状況改善は終わりました。

色が濃くなり、革に自然な艶が戻りました。

 

 

残る最大の問題はここですね。

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オリジナルのソールは残っているので、ラバーを剥がすことも考えましたが、張った跡が残るので完全な復活は見込めないと判断し、ここはいっその事オールソールすることに...

 

 

 

今回はbontaさんに依頼することにしました。

bontajp.blog134.fc2.com

 

オールソールに加えて、つま先にスチールの取り付けも依頼。

 

 

いろいろ悩みましたが一般的なヴィンテージスチールでは無く、トライアンフを選択

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出典:https://blogs.yahoo.co.jp/mah_young2die/7219069.html

 こちら、通常のヴィンテージスチールが5つのネジで留めているのに対して、トライアンフはネジ3つで留められているため、耐久性はあちらに軍配が上がります。

そして、トライアンフはヴィンテージスチールと比べ、金属の面積が多いい分、「かなり滑ります。」

 

ただ、しっかり利点もあります。

それはオールデンやトリッカーズのようなトゥが大きい靴に相性がいい事、

そして何より、この存在感(ルックス)が抜群にカッコいいことです。

 

 

 

bontaさんではソールは3種類から選択可能で

 

・JR(ジョン.レイデンバッハ)
・レモンティ
・ベルギー

 

本位はJRソールにしたかったのだが、予算の事もそうだが近いうちにリウェルトも考えているので、コスパ重視でベルギーソールにすることに

 

 

そして、待つこと約1ヶ月

戻ってきました。

 

 

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※我慢できなくて履いて帰ってしまいました。汚くて申し訳ない...

 

トライアンフ、ダブルソールのオールソールで合計¥15000でした。
しかも驚いたのが、bontaさんデフォルトでヒドゥンチャネルで仕上げてくださってるみたいです。

これだけ至れり尽くせりで¥15000は安い。

是非とも、靴修理でお困りになった方はbontaさんにお立ち寄りになってください、ワタシからもオススメいたします。

www.google.com


 

 

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最後にシューレースを石目模様の太めの物に変更し、アンティークフィニッシュを施し完成です。

 

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いかがでしょうか?

こうやって見比べると見違えるように綺麗になりました。

 

やはり古靴はいいですね。

50年近い間、いろんな人の手に渡りながらも、最終的にこうしてワタシの所に来てくれてありがとう。

出会いに感謝です。

永く履いていこうと思います。

 

新品を買うのも、もちろんいいですが、

古い物を新たにお手入れ、リペアしてピカピカにして履くとなんだか一段と愛着が湧くんですよね。

 

「え、人が履いてた物でしょ?気持ち悪い。」って思う方も多いいと思いますが、ヴィンテージにはヴィンテージの良さがあるので比べるものではないと思うんですよね。

良さのベクトルが全然違いますからね。

 

皆さんもいい古靴に出会った時には買ってみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

 

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